中央公論で「古本生活入門」を読む

中央公論10月号に「古本生活入門」特集が載っているとの新聞広告を見て早速買って読んでみた。いつも感じることですが、自分の仕事に関わる記事を読むのは嬉しくてドキドキする反面、ちょっと面はゆいところもあります。よくぞここまで取り上げてくれたモ…

「最新和本相場全集」を見る

和本の相場について網羅的に載っている本、その参考になるかもしれない本として「最新和本相場全集」(古典社編纂部編集刊昭和14年発行)です。 246頁に渡り小さい活字で和本の相場を載せています。この本で定義している掲載の和本は(煩雑ですがわかり…

「古本年鑑」を見る

戦前の古本を取り巻く事々を知るにはこの本。「古本年鑑」(古典社編集発行、昭和8年)の1933年版1935年版1936/37年版です。 沼津にあった出版社です。 そんな呼び名が世間でまかり通っていたかは、しかとは分かりませんが、この本では「古…

「江戸時代古地図総覧」を見る

旅行でも地元の歴史を調べるのでも地図は便利なものです。今新刊で手に入る地図ももちろんですが、ちょっと歴史をさかのぼって少し前の、ウーンと以前の地図もじっくり見ると面白いものです。 でもそんなとき少し手助けがあると理解が早まります。「江戸時代…

「活字中毒者読本」を読む

本屋というより、活字の周辺のほとんどを網羅している変な本がこれです。「活字中毒者読本」(別冊本の雑誌6、本の雑誌社編集発行1984刊)です。 本全般ー出版から流通(取り次ぎ販売ー新刊書店、古本屋)、読者、そして本の読み方から書棚まで、の森羅…

明治時代の出版事情を垣間見る

意外と知られていない、いやわからない【解明されていない)ことの一つに地方の出版や本の流通とその周辺のこと(もちろん最近のことではなく)があります。 特に手がかりとなる参考資料は簡単に得られません。そんな時にこの本。 「大盛堂発売 図書目録」(…

「世界印刷文化史年表」を見る

印刷の歴史のような題名だが、どっこい、出版の歴であり、本の、それも詳細な歴史の本である。それが「世界印刷文化史年表」(庄司浅水編昭和11年ブックドム社刊)です。 225頁の本文のウチ「グーテンベルグ以前」は30頁ですから、印刷発明以後が主で…

「記念絵葉書総目録」で見る

趣味としての蒐集としては、思いの外に古さがある割に参考書の少ないのが絵はがきです。そんな時にはこれ。「記念絵葉書総目録」(郵便の友社編昭和6年向上社発行)です。ただし原本は手に入らずで、これはコピー本です。 蒐集趣味のためにとして刊行され、…

「谷泰山・谷干城家文書目録」を見つける

少し以前にある県の古い資料を仕入れた。詳しく調べるべく参考書を探して得たうちの1冊がこれである。「谷泰山・谷干城家文書目録」(立教大学所蔵文書目録2/立教大学編昭和50年同大学図書館館刊)。 古い時代で、ごく細かい部分を調べるときに手引きと…

「洋学」で再確認

この業界で参加していた勉強会の研修旅行で買った参考書です。それが「洋学」(善本写真集47・天理図書館編天理大学発行)です。 洋学、対外交渉史の、それはそれは仰ぎ見るような本の写真とその解説21点写真集がこれです。「蘭学事始」「訳鍵」「解体新…

「日本文学手帳」でちょっと調べる

細々した事ではあるけれど、知っていた方が話がふくらむ事ってたくさんありますよね。特に仕事の上では。そんなときはこの本。 「日本文学手帳」(筑摩現代文学大系特別付録・非売品・磯目健二編著昭和50年筑摩書房刊)です。 どこにって、この文庫版で手…

「コンサイス日本地名事典」を引く

地図帳以外で、地名で役に立つ参考書はまずこれでとどめです。「コンサイス日本地名事典」(1989年)、「コンサイス外国地名事典」(1991年共に三省堂編集発行)です。 これでどれほど恥をかかずにすんだ事か。地方誌を、地図を主たる扱いにしていて…

「江戸人物ものしり事典」を眺める

長きにわたる江戸期には幾多の登場人物がいる。教科書に載るほど有名ではなく、又学究的な事とは少し距離を置く分野のひとで調べたい人が出てくる。そんなときに「江戸人物ものしり事典」(別冊歴史読本・伝記シリーズ10江戸時代を彩った360人のものし…

「写真の整理と保管」を参考に

古本の販売目録(カタログ)にたくさんの写真を載せるようになって、その保管に工夫を強いられ、その時に参考にしたのがこの本。ライフ写真講座「写真の整理と保管」(タイムライフブックス編集部編1973年タイムライフブックス発行)です。 でも、写真雑…

「本の旅 歴史の旅」を読む

同業者の見聞記は直接間接に勉強になります。特にこの本。副題は「古本屋の見たヨーロッパ」。題名は「本の旅 歴史の旅」(文車の会編昭和58年八木書店刊)です。 19日間の古書に関係あるところを巡る旅の記録で、古本屋図書館博物館史蹟などを巡りまし…

「和算家の旅日記」で数学を知る

和算(江戸時代の数学)の本を買ったのでまず手近にある本で、そも和算とはを見る。それが「和算家の旅日記」(佐藤健一著昭和63年時事通信社刊)です。 江戸期に和算の本が沢山発行されていた。最上流などの流派があった。算額(算数の問題を書き付けた額…

「明治もの蒐集」で時代に浸る

時間をさかのぼる事は出来ないが、何か手がかりを得て、絵画とか写真とか、その時代を感じるのにはまず本。それが「明治もの蒐集」(料治熊太著昭和38年徳間書店刊)です。 絵でも本でも写真でも地図でも、それが明治にドウ一般の人に扱われていたのか、ど…

「図解博物館史」を参考に

よく分からないけれど、探している人の多いのが博覧会関係の物。でその時にこの本。「図解博物館史」(椎名仙卓著平成5年雄山閣出版刊)です。 博物館の変遷を概観する、と帯にありますが、私は主に、その中の博覧会、物産会の所を見ます。博覧会の(主に明…

「日本の探検家」を知る

探検、冒険は個人的に好きな分野、テーマなので出来るだけ関連の本に目を通すべく努めてはいる。その一つがこの本。「日本の探検家」(長沢和俊著1966年早川書房刊)です。 あとがきに、「もともとは東海大学探検部の有志諸君に、数回にわたって物語った…

「暦の話」で暦を知る

ある時たくさん暦を仕入れた。で、さあ困った。暦の事を、それも古い時代の事が、全く分からない。それ、参考書だ。それが「暦の話」(渡邊敏夫著昭和19年増進堂刊)です。 かいもく分からない、知らない分野に分け入るとき、それも仕事での時は迷わず、ま…

「美術手帳」を引く

ハンディーで(文庫版)ありながら、過不足無く必要事項の詰まっている本。帯の惹句に、茶道人・美術愛好家必携資料満載の便利事典とある。 古書画仏教絵画陶磁茶道具その作家名簿年表鑑定人から掛け軸の図解まで539頁にぎゅっと詰まっています。 「美術…

「文人と先覚者」で図版を見る

いつもお手軽な参考書ばかり読んでいるようですが、今回もさらに分かりやすい、入門用の本です。「文人と先覚者」(「人物探訪日本の歴史13」昭和50年暁教育図書発行)です。 大判A4の大きさですが、私はこれで、とりあえずの専門分野の北方探検の登場…

変体仮名を学ぶ

相も変わらず、字が読めない、でぐずぐず言っております。でも、一週間2週間に一度は、読まねばならぬ場面に、必要に迫られるのです。何も江戸でなくとも、明治の和装本(和綴じの本)にも、古い字は出て参ります。読んで今の字に置き換えなければ、売り物…

「日本近世史研究事典」で見る

分からないながらも、江戸時代のある分野に触手を伸ばすとき(主に特定の分野の固まりを仕入れしたとき)、にわか勉強で、その細かいテ−マの説明を得るために眺める参考書がこの本。「日本近世史研究事典」(村上直他編1989年東京堂刊)です。 8つのテ…

「農学校物語」を見る

「農学校」はもちろん「札幌農学校」(現在の北海道大学)のことである。そのことどもを考えながらパラパラ拾い読む本。「農学校物語」(さっぽろ文庫61・札幌市教育委員会編平成4年札幌市発行)です。 明治8年開校後の成立期の事から、教員、クラーク教…

書誌学者の目録を見る

江戸時代の本で刷った本(印刷した)は版本ですが、書いた本は(とりあえず)自筆本と言います。その自筆本についての(私にとって)尊い本がこれ。「江戸時代書誌学者自筆本展覧会目録」(川瀬一馬編日本書誌学会刊昭和9年11月24日発行)。 奥付の裏に…

「日本神社総覧」で調べる

連休でお休みを頂きました。 神社も分からない事が多い。むしろほとんど分からない。お祭りで行っても、肝心の神社に立ち寄らない事があるくらいです。でも神社関係の本を調べる事は時々ありますので、避けてばかりはいられません。そこでこの本「日本神社総…

「漫画の時間」を休み時間に見る

休憩の時にはお茶も頂くが、本も読む。時には漫画の本も見る。読むではなく見る。「漫画の時間」(いしかわじゅん著1998年晶文社刊)です。 帯に「漫画よりおもしろい漫画案内」とある漫画評論集ですが、もちろんこの100作品の評論には絵(漫画)がつ…

「啄木」を雑誌でしらべる

作家の代表作について調べるときは、何の雑作もない。手近な文学事典を見ればよい。ただこれは仕事としてはおもしろくない。 たとえば、啄木の活躍した時代の雑誌を仕入れたときに、この雑誌「文学」(昭和32年第10号岩波書店発行)。の中の、「石川啄木…

「書誌学の回廊」で書誌に触れる

雑誌「現代」を何気なく読んでいて、「日知齋書話」という連載を見つけ、強く引き込まれ、その前後を読みたくて探したら、その連載をまとめたこの本に出会った。 「書誌学の回廊」(林望著1995年日本経済新聞社刊行)がそれである。 私が読んだのは「「…