明治時代の出版事情を垣間見る

furuizo2007-08-16

 意外と知られていない、いやわからない【解明されていない)ことの一つに地方の出版や本の流通とその周辺のこと(もちろん最近のことではなく)があります。
 特に手がかりとなる参考資料は簡単に得られません。そんな時にこの本。
 「大盛堂発売 図書目録」(北海道図書発行所 小島大盛堂 明治42年1月調査第二号 B6判 100頁)です。
 函館に在った有名な地元出版の会社ですが、このような刊行案内があったとは知らず、そくさくと頁をめくるとさにあらず、本文100頁の前に別の10頁の色刷りがありそれがここの出版目録になっています。本文の分は新刊の卸のカタログでした。
 よく見るとその中に大盛堂の出版物も入っていましたが。と、初見の際は予想と違い以外でしたが、商売柄見れば見るほど面白い。どんな本が、いやこんな本がこの明治42年にここを通じて全北海道に流通していたのかと。へーこんな小説が、教科書が、地図が、詩集がと興味は尽きずわくわくするほどです。
 自分の営業意欲の促進剤として、参考書として捨てがた1冊です。