「最新和本相場全集」を見る

furuizo2007-10-03

 和本の相場について網羅的に載っている本、その参考になるかもしれない本として「最新和本相場全集」(古典社編纂部編集刊昭和14年発行)です。
 246頁に渡り小さい活字で和本の相場を載せています。この本で定義している掲載の和本は(煩雑ですがわかりやすいので引き写しますと)「和本、漢籍、或いは唐本と呼ばれるもの、古写本、古文書、絵巻、絵本、地図、一枚刷(版画も含む)等、すべて明治維新以前の広義の書物」です。
 これは実にわかりやすい。時代区分も平安期からずばっと明治維新以前までのものを和本、と言っている。その種類も、細かく言うとまだありますが大雑把にこれらで大体網羅しています。
 その範囲の和本に大胆に一々価格をつけているのです。その正否は、妥当か否かは分かりませんしどうでも良いのですが、このご努力は嬉しい。
 まして1冊1冊の本を知っていて(内容とその価値と希少性などを)、ようようその価格を云々することが出来る、という手順からしてとても何も述べることはありませんが、
ただただこの膨大な量の値付けに対し、おそれつつ、面白く思います。
 この価格を参考にするよりも、こんな本がこの当時市場に出回っていたのかと、はるけく、うっとりしてしまうだけです。そんな意味でたいそう参考になります。(よき時代であったのでしょうナーと。)