書誌学者の目録を見る

furuizo2007-05-08

 江戸時代の本で刷った本(印刷した)は版本ですが、書いた本は(とりあえず)自筆本と言います。その自筆本についての(私にとって)尊い本がこれ。「江戸時代書誌学者自筆本展覧会目録」(川瀬一馬編日本書誌学会刊昭和9年11月24日発行)。
 奥付の裏に「昭和9年11月24日求購何某」とある。この展覧会の初日に駆けつけ、会場で買ったのでしょう。(今なら展覧会の図録でしょう)ただ奥付に「非売品」とありますから、配られた物かも知れません。
 その辺はともかく、江戸のそれも、書誌(本についての)関係者の目録と言うだけで、私にとっては、もうそれだけで、ひれ伏したくなる代物なのです。ありがたくて、とても参考書とはいえず、貴重書として飾ってあります。
 マー、いつか、この先達の(25人収録されています)自筆の物を扱う(売り買いする)時の用意でこの本を買ったのですが、とても気軽に参考書に分類できようはずはありません。(その日がいつ来るかも分かりませんが)
 それよりもほんの数行書き写しますと、狩谷棭齋の「度量権衡沿革表」の説明。「棭齋自筆稿本。尺度沿革・斗量沿革・権衝沿革等」と続きます。
 と巻末の、棭齋略伝は「名望之字卿雲称津軽屋(中略)享年61葬下谷天竜寺墓碑今在」云々とあります。
 もうこれだけで、(私が)この本にとりつかれ行く様が、ご想像頂けるかと思います。(古本屋らしい雰囲気に浸れるというだけですが)