「和本入門」で和本入門

furuizo2007-04-23

 べつだんカケコトバではありません。この本「和本入門」(橋口侯之介著2005年平凡社刊)は和本初心者が、まず読むべき本と思い、ご紹介まで。
 筆者は今現在神田で古本屋の経営者です。和本の専門家で、かつその和本ワールドを、活字に、書物に出来る、数少ない才能の人と思います。
 和本を沢山いじり(取り扱う事)、買い、売り、調べ、先輩に聞き、失敗し、損をして、恥をかいて覚えたであろう、その膨大な世界を、初心者でも入っていけるように、その裾野の事どもから、ある程度の頂上までを、1冊の中に書き上げています。
 こんなに分かりやすく、こんなに安く、出版されたら、店員時代から長々と、(大げさでなく)何十年かかって積み上げてきたノウハウに、この1冊で、一晩で追いつかれるよーと、お考えの諸先輩がおられるかも知れませんが、まず無理でしょう。
 この紙が、紙の手触りが、江戸の物かどうかとか、いやそれより前に、これが刷った物か書いた物か、それすら判然としない物があまたありますから。
 冗談はともかく、最近の大収穫ではあります。少なくとも(和本修行中の)私にとっては。著者と懇意であるとかは別にしましても。