本の本があった

furuizo2007-04-11

 昭和50年11月号が雑誌「本の本」の創刊号である。ボナンザから出たこの写真の本である。多分一般書店の棚に並ぶ古本好きに向けた最初の月刊雑誌ではないかと思う。題名からしてもろにそうであるし、副題が「書誌と集書」とさらにだめ押ししている。
 本文全体が本と作家と古本を掘り出す醍醐味で埋め尽くされている。さらに巻末には、作家のあいうえお順に、「古書のねだんー参考価格」が掲載され、その価格の欄は「時価」と記されている。生もの扱いである。実にと言うべきか、驚きであった。
 11月は特にファンの多い「竹久夢二」の特集であったが、(特に私にとっては)毎号毎号どの頁も嬉しかった。どこを取っても本、本、本だったから。
 残念な事に、2年後の昭和52年に16号で終刊となった。ここ最近の、本に関する本のブームにだいぶ先行する、記念すべき雑誌だったと思います。